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2007/10/07

オープンソースの逆襲

今回は一昨日(10/4)届いた「オープンソースの逆襲」という本を紹介します。

「オープンソース」という言葉はある一部の人にはとても耳慣れた言葉ではあるものの、世間一般にはそれほど認知されているものでは無いかもしれません。
「ソース」と言っても、料理の話ではありません。コンピュータのプログラムに関する本です。でも、料理の話もあるかも...

この本の対象は、ある程度コンピュータを使った経験のある社会人または学生で、プログラミングの経験有無はあまり関係ないけどネットからソフトをダウンロードして使用するというを日常的に行っている人が丁度良いのではないかと思います。

本の紹介の前に「オープンソース」についていくらか説明しておきます。
プログラムは人間が判読可能な状態で編集するソースコードとコンピュータが判読可能な状態で実行するオブジェクトコードに大別できます。ソースコードを持っていても、それでプログラムを実行する事はできないので、ソースコードをコンパイルしてオブジェクトコードに変換する必要があります。
電器屋さんなどで売られているソフトウェアパッケージはオブジェクトコードの状態で、ソースコードで販売されている物は少ないです。またソースコードはそのソフトウェアの設計書なので、これが他人の手に渡ると、全く同じ物やちょこっと改変したものを作成できてしまうため、企業で作成したプログラムの多くはソースコードを公開されていません。
ところが、「オープンソース」ではこのソースコードが公開されているプログラムであり、誰でもその設計書を読み、機能の成り立ちを確認する事ができるプログラムなのです。
なんでそんなことするの?と思われる人もおられるでしょうし、昔はみんなそうだったと蘊蓄を語りたくなる人もおられるでしょう。
ここで紹介する本は、そんな「オープンソース」についての本です。

本の流れは、歴史、事例・ノウハウ、まとめという構成です。

歴史の中では、最近流行のものでオープンソースになっているものやUNIX、Microsoftを通じたオープンソースでないプログラムの生い立ちなどと関連してオープンソースのこれまでを約半分程度かけて解説してあります。
大変良くまとまっているので、これまで聞いた事の無い人にはとてもわかりやすいのではないかと思います。ただ、その分知っている人にはちょっと物足りないかもしれないですが、対象としている人が「一般の社会人」とあらかじめ書かれているので、仕方ないかな。僕には「オープンソースの復習」になりました。

事例の中では、教育現場とビジネスの現場でどのようにオープンソースが利用されているかを紹介されています。どちらかと言うと教育現場での利用についての方が熱が入っていて、その事例も非常に有為な成果を上げているのがわかる紹介で、生徒と教師双方にメリットがあることがよくわかります。
しかし、ビジネスの方はどうかと言うと、歴史の方でMicrosoft社の批判をしていた部分とちょっとやっていることがかぶっているのではないかな?と感じたりする部分もあったりして、全てにうなずく事はできない気分的な部分はありましたが、「それがオープンソースビジネスの実際なのだろう」という参考になります。ビジネスに関してはページ数も少ないですし、歴史の中で見てきたオープンソースの成り立ちからも、教育現場がより適していることは明白なので、教育現場でしっかりと利用される基盤ができつつあるというのはとても良い事だと思います。

まとめでは、現状への警鐘が書かれていて、きっと誰もが確かにそうだと思うところがあることでしょう。これからどうすべきかをきちんと考えながら現代を生きる必要があるなと考えさせられます。
まとめの中の言葉は「オープンソース」に限ったことでは無いような気もします。ある物の供給元が一つしか無いまたはほぼ独占状態だと色々な弊害が出るものですから、そういう状態にしない、なってもきちんとした抵抗力を身につけておくというのが大事ですよ。オール電化とかいう言葉が広告を賑わせてると、好んで統制下に入りたがる人もいるのだから、「オープンソース」が日本で一般化するのは前途多難な道があることでしょうが、これからも普及に向けて頑張ってもらいたいし、自分も何かの一助になれればと思います。

最後に、文章全体から著者の熱意が伝わってきて、とても読みやすい文章でした。著者は大学の准教授とのことですが、この文章を書かれる方ならわかりやすい講義をされるのではないかと感じます。

追伸
P.211 表5-2 GunPGについて「実装」の誤りでは?

2007/10/15追記
著者のサイトで、ブログが紹介されていました。リンクありがとうございます。

2007/10/26追記
読み終わった本を僕の部屋で眠らせておくのも勿体ないので、より広く読んでもらえるようにするため、オープンソースサロンの開かれる松江オープンソースラボの書棚に寄贈させていただきました。

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