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2006/04/22

「達人」について

最近、悩むことが多くて弱ってます。かみさんに言わせると、悩むのは成長する前の段階だから心配することはないということだそうですが、それを聞いても何も救われない...また、日本海側の憂鬱な天気がそういう気分にさせているという意見もあります。まぁ、実際にそれほど大きな問題が目の前にあるかというとそうではなく、何となく将来が不安とかいう杞憂に似たものが胸の中で大きな位置を占めているだけなので、憂鬱になり続けるのではなく、ちょっと不安についての思考を止めてみる方がいいかもしれません。

というところで、突然ですが「達人」について思うところを書き留めておきます。

以前、趣味で絵を描いていた時、自分が上手に描けたと思える絵が完成するのは決まって、自分で考えて描いた時ではありませんでした。それはどういうことかと言うと、何か心から「絵が描きたい」という想いが沸き上がって白紙のキャンバスを見た時、そこには完成した絵が見えるのです。僕はその絵を見ながら上をなぞるだけで、絵が完成するのです。でもそんなことは年に1度あるかないかです。
そうして描かれた絵に限って、知人や先輩達の評価は高く、その評価を聞きながら複雑な想いを抱いていました。何だか、自分の絵じゃないのに自分が描いたように言ってるようで、変な罪悪感を抱いたりしたものです。でも、確かに僕が考えて描くより、とてもいい作品が出来上がったものです...とは言え、いずれの作品も芸術品と呼ぶにはほど遠いものですが...。

以前、空手で組み手をしている時、自分が「ここを攻めよう」とか考えても避けられるか、カウンターを食らうことばかりでした。でも、余り考えないで集中している時、攻めるべき場所は自ずと見えてきたような気がします。そうして見つけた場所を攻めると、ほぼ必ず技ありや一本を取ることができました。
そうして勝った時、褒められることもありましたが、やっぱり複雑な想いを抱きます。口から出る言葉は「たまたまです」ばかり。とは言え、そんなの年に何度もありませんでした。

しかし色々な本を読んでみると、こういう想いは僕が特別だから感じることではなく多くの人が感じているようで、同じような言葉を簡単に見つけることが出来ます。
そこで、「達人」というのはこういうことから始まるのではないかと考えてみます。

求める結果の理想を思い描き、それを実現するために努力する。そして時々、真理と出会う。さらに努力や思考を繰り返すうちに真理を見出す機会が増える。最後にはいつでも真理を見ることが出来るようになる。そうなった時、人は「達人」と呼ばれるようになる。

こう考えて、有名な本をいくつかひもといてみると、多くの言葉がそれにつながるような気がします。

聖書の「マタイによる福音書」には、「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。」というようなことが書いてあります。もちろん、これは物欲を言葉にして「あれが欲しい」「これが欲しい」という意味ではないのは周知の通りですが、「求める」というのは「待ち望む」ことではなく、それを得るために常日頃から努力をすることで、そうしていれば何かが「与えられる」のでしょう。この本の中でもしきりに真理と言う言葉が使われます。それが本当に何を指すのかはわかりませんが、真理を得た時、人は敵を愛し、隣人に叩かれれば反対の頬を差し出すことができるようになるのではないでしょうか。

論語にある、とっても有名な箇所として「吾十有五而志于学、三十而立。四十而不惑、五十而知天命。六十而耳順、七十而従心所欲不踰矩。」というのがあります。ここにある「不惑」とは、真理の探求を目指すことに何の迷いも感じることがなくなり、その10年後に真理を見つけたということなのだと勝手に解釈してみます。

これらは薄学な僕が、知ってることをかいつまんだだけのものですが、かみさんの「悩むのは成長の前段階」という話の裏付けにもなるような気がしてきます。

色々な分野の「道」がありますが、その先は皆同じなのではないでしょうか。つまり僕たちは色々な方法や手段を使って、一つに収束する真理を追い求めているのではないかと思います。
まとめると、「何かの道を究めることは真理を見つけることで、つまりは人生を究めること」になるのかな。

だからこそ人は夢を持ち、何かに夢中になって努力することが大切なのだと言えます。僕がこうして感じる不安も、夢を見失いかけ、日々を惰性で生きているからに他なりません。
「ああ、何かしなくていけないなぁ」と今頃考える僕は、孔子様年齢でいうところの15歳(志学)なのかな。

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