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2005/08/08

「言葉の乱れ」は誰のせい?

最近、言葉の乱れがひどいとよく言われます。僕も若い人と話をしていると、意味を理解するのに時間を要することがしばしばあります。そういう時に、「その言い方、ちょっと変だよ」と言うこともありますが、多くの場合においてそのまま流してしまいます。

ですが、「言葉の乱れ」が大々的に取り沙汰されるようになると、この間違った日本語に対し文句を言う人が増えてきました。間違っている事を教えるのは悪いとは言いませんが、誤用に対し過敏に反応しすぎて、意味を理解しているにも関わらず何度も聞き返したり、言葉通りに受け取ったりする嫌がらせをする人も出てきています。
本人は、「有識者」気取りなのかもしれませんが、それではただの「変人」です。
僕の知り合いの話では、会議中に誰かの発言の中に間違いがあると、議題から外れて「その言葉の使い方は間違っている」と声を荒げる人がいたりするそうです。

放送や新聞でも誤用の増えている昨今において、若い人が日本語を誤って覚えてしまうのは仕方が無い事だと思うし、実際に世の中がこの誤った日本語を「標準」として迎えいれつつあるように見えます。昔なら間違いとして紹介されたような言葉も、最近では用例の一つとして辞書に載ったりしています。
このような状況下で育った人は、自分の言葉が間違っているということすら知らないわけであり、そういう人を罵倒したところで誰のためにもなりません。
若い人など個人が悪くて言葉が乱れたのではなく、能力の無い教師やマスメディアがそういう時代を作っているのです。「有識者」を自認する方々は、攻撃対象を変えるべきだと思いますし、変えないとただの「変人」です。

もし、この流れを逆流させ、誤用をなくすことができると考えているのなら、それは傲慢というより他なりません。知識として正しい日本語を知っておいて、これを次の世代に伝承していけばそれでいいのです。
以前このブログで書いた「諸刃の刃」とか「全然大丈夫」なんて、僕の上司も使います。

昔、中国に孔子様という方がいました。儒教の始祖として有名な方なので、一度は耳にしたことのある名前だと思います。とても頭が良く、才能にあふれた方で、骨肉の争いや主従の転覆があふれた戦国時代に、失われた「礼」を復活させようと努力されていました。ですが、結局は諸侯に煙たがられ、就職口もなく、夢の実現はできないまま、生まれ故郷で塾の先生をしながら、天寿をまっとうされました。

日本語の間違いを理由に、若い人をいじめている「あなた」。「あなた」は、2千年以上も名前を語り継がれる人と同じくらい能力があっても、この間違った日本語が蔓延している世の中を、正しい日本語に戻す事業に失敗するでしょう。孔子様より能力があるのなら、頑張って意思を貫いて下さい。

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